橋の上の人/おるふぇ
 
感情なら溢れていい
思う存分に枯れるまで
泣いてもいい
もしも年をとって
今日という日を
思い出す時
それが青春のように
輝いていればいい

願いを胸に湛え
星空から照らされる
細い小さな道をまた一歩
転ばぬ先の杖も持たず
無防備な裸の姿で歩く
暗闇に同化する狼のように
天へ静かに寄り添う野性の象のように
沼地に身を沈め必要最小限の獲物のみを採取する鰐のように
生きる佇まいは
死の影を捕らえ撃ち抜くだろう

汚らしい身なりの坊さんが
托鉢をして人様からの恵みに感謝を示す慎ましさ
絶え絶えに流れる幸せの河は
愛する人の胸に注がれ
幸せと幸せを繋ぐ橋とし
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