最後の足音/猫のひたい撫でるたま子
 
引越し前夜、きみの部屋の合鍵ゆらした

僕があげたポスターゆがんで

僕のハブラシなくって

僕のねていた枕が

ころがっているね

きみの笑顔もゆがんで

次の約束もないままに

握手も抱擁も

余分な愛情はいらない

余分な言葉もいらない

僕ときみだけの鍵はもうかえさない

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