枯れた太陽 /服部 剛
 
夏の終わりにふりしぼる 
みいみい蝉の合唱が 
街路樹の緑に沁みてゆくのを  
鼓膜に吸いこむ散歩道 

空き家の庭に独り立ち
叢(くさむら)に項垂(うなだ)れる枯れた向日葵の 
幹の太さに目を奪われて 
思わず僕は立ち止まる 

無数の種も抜け落ち 
枯れ果てた太陽の輪の下で 
いのちのシャワーを 
浴びたくなった 




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