シルバーレイン/
皆月 零胤
空がショートする
その音を聞く
男
湿った空気に曝され
紫煙を吐きながら
亡霊のように
立ち尽くす
ベランダで
舗道を歩く影を
見る
傘は歪み
稲妻が空を裂き
一瞬その影は
怯え
男の目が
妖しく
光る
低い唸り声は
何処からする?
空からか. . .
男からか. . .
また煙草に
火を点ける
男
そして
空を仰ぎ
紫煙を吐きながら
声も無く啼き叫び
閃光を放つと
雨がまた銀色に変わる
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