おかえりなさい/猫のひたい撫でるたま子
 
しんとしている

冬の朝のように

言葉をなくす季節が終わって

私はすとんと椅子に座った

大声だとか、聞きたくない言葉だとか

他人の声からは遠くなって

静かな場所へ向かう

本当に一人ぼっちの独り言は

誰にも聞こえることがなくて

もう誰のためでもない言葉をささやく

やっと私にまた会えた

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