東京の宇宙人 /服部 剛
雨のスクランブル交差点を眺める
２階のＣａｆｅで
木目のテーブルの上に
「 アランの幸福論 」を開く
信号が青に変わり
湿った白い梯子の上を
流れ出す
色とりどりの傘の群
「 ビル上ノスクリーンニ映ル
Ｍｒ．Ｃｈｉｌｄｒｅｎノ桜井和寿トイウ人ガ
ギターヲ抱イテ ＧＩＦＴ トイウ素晴ラシイ曲ヲ
満面ノ笑ミデ唄ッテル 」
世間話の飛び交うＣａｆｅで
女達は恋や仕事を語らい
こうして見知らぬ人々に
囲まれながら
ふいに僕は思い出す
何処か遠い記憶の惑星（ほし）から
あの日此処へやってきた
ずっと忘れていた（ なにか ）を探しに
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