掃け埃/マイケル
 
雨の日にも、
僕は
傘をささずに歩きたい。

張り巡らされている、意図への操作
気分屋の変わりやすい気象だから、


駅に並んだ不法駐輪の自転車を蹴り倒して
ビニール傘を叩き潰して

肺炎になるほどの力で、
丘への階段を走ってゆきたい

それを見せつけたい、卑屈な心を後生大事に抱えながらゆく


翻弄された オキシドールが変色させてゆく
君の雷、嵐、波が削っていく地層の礫
化粧にサングラスと、ウィンド・ブレーカーとカフェインやタブレット
変質してしまった感じるための心 感じるためにあった心が
腹に一物ただの肉へと変わっていく

終わった。
終わった。
終わらない連続へのシフトへと。

谷間に咲く花を見下ろすためだけの欲望が
丘に咲く 樹の根を食んで生きる、
蟲どもの体液に染み渡る。

見える肖像が、糸を垂れているから
ホームレスの焚き火に、ホワイトガソリンのタンクを投げ込んで
爆発で根まで焼き払いにゆく
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