宝船/ばんざわ くにお
 
これは知人から聞いた話

宝船を作ることが趣味の男がいた
船の材料は安い紙だが
金銀の色紙で作った財宝をのせている
そんな宝船が
男はこよなく好きだった
ある日曜日
いつものように宝船を作っていると
知らない若い女が男の家を訪ねてきた
宝船を作って欲しいと言う
理由を尋ねると
近々お店をはじめるので
店にかざりたいと言う
男は喜んでひきうけた
一ヶ月後に引き取りにくると言って
若い女は帰った
その夜 宝船を作りながら
男は寝てしまった

夢を見た
夢のなかで男は
宝船のような船で
濃い霧の中を進んでいた
大黒さんによく似た太った船員に
行き先を尋ね
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