クロコダイルの夢/皆月 零胤
 
僕の名前は皆月零胤 でも名前はまだない



多分それは小学五年の夏休みが折り返した
そんな時期だったと思う
空き地の隅には僕たちの秘密基地があった

それはホームレスのビニールシートハウス
なぜか住んでる人は小綺麗なおにいさんで
朝になると髭を剃ってスーツで仕事に行く
空き地で仲良くなって中にも入れてくれて
僕たちはそこを秘密基地とよんでいた

友達のひろゆきくんとまもるくんも
はじめは面白くて一緒に話とかしてたけど
塾とかが忙しいとか宿題が終わってないとか
涼しいとこでゲームしているほうがいいとか
そんなことを言い出して来なくなったんだ

おにいさんには
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