一色/ さくら
 
遥か彼方で こだまする

「おかえりなさい」とささやく声


目の前に広がる 水平線は
どこまでも まっすぐで
帰りを待ちわびる

早く一緒の色になりたいのと
青い海は 砂と一緒に煌きだすの

どこまでも 深い青色は
どこまでも もろく瞬いて

夜空の星屑を 急いで拾い集める

まるで 最後の一粒のように・・・


夕陽の沈んだ 夏夜の砂丘
ただ一色に 静寂に包まれて


温かいお母さんにも似た

「おかえりなさい」とささやく声を
夜風がそっと運んでくれた。

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