太陽の光はまだ早すぎる/皆月 零胤
僕たちは気づかないうちに
夜の闇に飲み込まれていて
人混みに流されていた
ほんの些細なすれ違いから
互いに伸ばした指先も
届くこともなく
雑踏の中に互いの姿を見失う
あとほんの少しでわかり合えたのかもしれない
あとほんの少しで互いに変わることができたのかもしれない
無駄に飾られた空っぽの星屑みたいな街で
こころはどこにも繋ぎ止められることはなく
虚ろな闇を抱えたままやっと口にした
小さな声はたくさんの音にかき消されて
最後の言葉さえ聴きとることもできなかった
朝がやって来て太陽の光が射しても
本当の純粋さなんかとっくの昔に無くしてしまったから
目
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