君の死体に恋する 3/海月
 
冷たい指先をカキ氷機に入れて
右にグルグルと回せば
緩やかに零れる君の一片

卵に君の好きなマヨネーズを混ぜて
一つの塊になるけど
僕はそれが嫌いで卵は卵のままで
混ざることが嫌いな訳じゃないけど

食パンに挟んだ二つの視界
口の中では君の見てきた世界

僕の景色と君の景色
見えない部分が混ざり合い
足らない部分を埋めあい

自分の背中に空いた穴に気づいた
日に日に大きくなり
指から腕が入るほどに

傷口に君の顔を埋める日まで
僕は生き続けたい
戻る   Point(2)