君の死体に恋する 2/
海月
私の声は熱いシャワーの音に消えた
ドアに挟まった指が痛みを帯びて
携帯電話は独りで震えている
水槽の金魚はプカプカと浮いている
何かが始まり、何かが終わる
子供達の声が彩りの中に消えた
片足だけのサンダルが置き去り
長い髪を引っ張って私を助けて
真夏の浴室から
欲情した犬は鳴き声が電車にかき消された
私の声も君からの電話も消えた
鍵さえ開けば助けが来るのに
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