呼び声 /
服部 剛
サイドブレーキを
ぐいっと引いて
信号待ちをしていた
隣の車線に停まった車の窓に
取り付けた
バネ仕掛けの手のひらが
びよ〜んびよ〜んと手を振った
顔も体も無い手のひらが
姿の見えない誰かのように
ぼくに「おぉ〜い」と
呼びかける
戻る
編
削
Point
(4)