夢の番人/白糸雅樹
「夢」というのは
なにかうつくしいもののことだとおもっていたよ
なにかたいせつないとおしいもののことだとおもっていたよ
理想のことを夢と呼ぶのだとおもっていたよ
守らなくてはいけないのは
夢が外部から損なわれないようになんだとおもっていたよ
夢というのはひとをささえるものだと思っていたよ
ボクの役目はかよわい夢がひとをささえられるよう守ることだとおもっていたよ
幼かったボク
ごめんね
眠りに落ちるたび必ずこんなにも君がおびやかされるなんてしらなかったんだ
夢におびやかされて逃げて逃げてそうしないとねむれないなんて
ボクにできるのはせいいっぱいそ
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