夏の夜のこと/セルフレーム
ノートPCの電源を切って、外へ出た。
この郷で、今年はじめての夏の夜。
夏の夜のこと
「詩人というものは実に立派なものだ。人々に現在の世界を伝えられる」
何処かの有名詩人が言う。
でも君は、全く正反対の言葉を、堂々と言ってのけた。
「詩人は暇」
僕だって詩人な訳だから、それには反抗した。
いくら顔馴染みだからと言っても、それにはやっぱり反発した。
侮辱されたようで、悔しかったから。
君は、詩人というものをあまり大切にしていないように見えた。
自分をあまり大事にしていないように見えた。
あの頃喧嘩したのも、今になると何だか恥ずかしいもの
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