アンビバレンスシティ/紫音
テレビのスイッチを入れる
あまり偉そうにも見えない小役人な校長が
あまり反省もなく頭を下げる
気付きませんでした
とりあえずの場の空気をつくり
権力という名のワイドショーは
いじめの報告はゼロでした
と
こちらは偉そうに怒ったフリをする
見慣れた茶番
予定調和の偽り
本質はいつも遠景に
迷惑そうに追いやられ
しかめ面で消えていく
心地よくすらなく
吹き飛んだ原発のように
溶け出して
混ざり合う
偽りの多重奏
いつだって
いつだって
徒競走は同時にゴールをし
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