松明の道 /服部 剛
 
り返れば 
長く連なる私の足跡の上に
いつも浮かんでいた 

松明の幻 

靄のスクリーンに映し出される 
明日
に出逢う僕等の影絵 

胸を躍らせる日も 
唇を噛締める夜も 
今迄より 
ほんの少し立ち止まる 
わたしの背後に浮かぶ 

松明の幻

映写機の
ひかりの筒のように 
淡く照らされたひとすじの道 

密かな一歩を、わたしは踏み出す。 







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