ポエコ/モリマサ公
 
てゆーか旅と言ったら死体を探す意味で 
凪いだ東京湾の沈んでいるヘドロとか 
晴海の奥の草地に放棄されている冷蔵庫の中身に十字架を切る 
みたいな 
永遠に浮かぶことのない人たちみたく 
あたしは許されることがない 
ななめる満員電車の中で今朝もぶれながら 
日曜はホームセンターでDIY的ロハスとペットショップコーナーをのぞき 
100円ショップで刃物をもとめ 
ブックオフで時間をつぶす 
これがリアルにさみしさなんだなって 
手首に線を引くのがいきてるってことなんだなって 
冷凍庫の中の水道水の固まりを噛み砕く 
砕きながらユニットバスの中で 
ひざをかかえて服のままシャワーを水で浴びた 
夕立は引き裂くような夕焼けを数分 
目を閉じるときの音が 
手を開くときつかむものが 
キモクないていどに 
レインボウブリッジをすきなだけわたる
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