空梅雨の後に/セルフレーム
 
処の砂は、鳴く。

寝転んで、空を見上げた。

確かこの日は、夏季休業の一日目だった。

いつものように他愛の無い話をした。
いつものように砂の上で目を閉じた。
いつものように―

君は泣いてた。

僕は一度息を吸って、こう切り出した。

「ずっと此処にいるの?」

君は答えなかった。

「此処に死ぬまで住んでるの?」

君は俯いた。

「此処は好き?」

君は顔を上げた。

「此処に大事なものはある?」

君は、

君は笑った。

その時、僕はその意味が分からなかった。

ただ、その後から連絡は途絶えた。

久しぶりに学校に
[次のページ]
戻る   Point(0)