組成/ななひと
遠ざかる 視野 から こぼれ落ちる 時間 記憶 に 映る 長い 影法師 は 寄せる 皮膚 に 似た 声紋 を 残し て 崩れ落ちて ゆく 呼吸 と ともに 暗い 水平線 へと 収束 する。
望まれない 署名 に 奪われる 個別性 の 残滓 燃やすなら 共振 する ためらい の 予防線 寄生 する 無垢 の かたわら で ゆがむ 繭 破り 跛行 する 盲目 の 節足動物 は 触れる たび 組織 を 失って 感情 の ような 足跡 を 残す。
そこは 痕跡 を 綴じ合わせた 人形 の 表情 翻転 する 白抜き の 乾板 フィルム は 逆回り する 細胞体 を 摸倣 してゆく。
切り開かれる 既視
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