ひとり歩き/伯井まなと
朝靄に煙る海岸線伝い歩けば白いくじらのあくび
砂浜に誰かの書いた「速達」の文字に急かされ振り向けば君
波音に耳を傾け君の背に地図を広げて「夏」始動する
陽だまりに投げるビー玉 あの海とあの空模様を吸いとっている
ため息を繰り返すだけずるいよね 僕に「好きだ」と言わせるなんて
無意識と努めて意識してみたら「不自然だね」と肘突き交わす
むつかしい言葉を捨てて海原のいるかになってぼくを捕らえて
紙袋から覗いてる白パンをテトラポットに乗っかり食べた
追い風にジェット気流を捕らえたら君は波乗り ノースウェスト
「Hollywood!」叫んで飛んで着地した
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