好きならば切って頂戴/こんぺき13ごう
おまえの口から流れ落ちる事を許可されたその瞬間に
配管の中
きっと死んでいる
目に見えるごくごく僅かな色を掴み取れないのが人間なのか
おまえになってみればわかること、おまえの舌になればわかること
数秒ののち、そののどがうごめいて「 」
おまえの口から垂れ流される一億の星のような嘘がわたしを形成する
わたしなんて空っぽだ、おまえが消えればわたしも消える
美しかったころの記憶に準えわかりもしない反芻など無意味なのだ
「少女だった」という不確かさなど何の役にたつというのであろうか
鏡よ鏡よ鏡さん
今目の前に映る生物はなぁに?
絵にも言葉にもおまえにもわたしにも意味なんていらない
名前なんていらない
好きならば切って落とせ
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