33年後の岡真史、おれ34歳/石川和広
ある。そこで何かがはっきり「わかってしまった」のである。そのように感じる。いかにかわいかったり希望に満ちているような彼の文章を読んでも、見えてしまった後の妙な感じが感じられるのである。僕はアホだから岡真史に何が見えていたかわからないのだ。もしかしたらとてつもなく真っ暗だったのかもしれない。わかったようにいうのは止めたいけれど。
無題という詩がふたつある。
{引用=「無題」
にんげん
あらけずりのほうが
そんをする
すべすべしてた方がよい
でもそれじゃ
この世の中
ぜんぜん
よくならない
この世の中に
自由なんて
あるのだろうか
ひとつも
ありはしない
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