33年後の岡真史、おれ34歳/石川和広
 
がある。で、駅を越えて老舗の本屋に行く。さすがここはあった。すばらしい。

 帰って「ぼくは12歳」を読み始める。彼の書いた詩と学校の作文、それから親御さんの手記。読者からの手紙までついている。誰かが上手だけどやはり子どもの詩だといったが、子どもだろうが年寄りだろうが、あるタイミングがくればとんでもない作品を書くのが人間だと思っている。ただ、そのタイミングというか自分の中の高まりとどう向き合うかがとんでもなく難しい。

 夕方ただただ声に出して読む。黙読したりもする。ひとりでほうほういっている。


 夜、家の者が帰ってきて、一緒に岡真史の略歴を見ていたら、岡真史の亡くなった日があっ
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