偽善者/海月
裏切りの表は優しさに満ちて
別れの言葉一つを並べて
彼女は泣いていた
理由はわからない
彼も泣いていた
理由はわからない
瞳の中から零れた雫
そっと手のひらの上に乗せた
ゆっくりと空へと消えていった
あのセリフは今も忘れていない
彼はそんな事を口にした
私は君の事を
好きだ
俺は君の事を
彼女は笑った
彼氏も笑った
本当はどうだったのだろう
彼女の気持ちは本当だったのだろうか?
本当に彼女の言葉は本当なのだろうか?
少しの疑念が湧き上がる
源泉
俺
私
本
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