コインロッカー/RT
たった数枚のコインで
人生とはいつのまに
こんなに安くなってしまったのでしょうね
閲覧料は
一目千両という昔話もございますが
恐ろしいことに
大枚はたいて行くものばかり
看板も掲げていないのに
口コミでいらっしゃるお客様が後を絶たない
私はこうして受付に座っているだけで
計り知れない現金を
ありがたやありがたやと拝まれながら
毎日受け取っているという算段で
そんな生活を送っているものだから
お金なんぞにはもう興味がないのですよ
そんな貴重な物を
駅のコインロッカーに預けて
お客様が持ち逃げする心配はないのかって
はあ、よく言われます
それで形ば
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)