幻の花 /服部 剛
 
きみはきみであり 
ぼくはぼくであり 
秤に乗らない 
それぞれの花であり 

きみが蕾を開いて 
ぼくが蕾を開いて 

みつめあう互いの間に 
姿を現す 
一輪の花の幻 

( きれいだね ) 
( きれいね  ) 

ふたり重ねる 
無言の言葉 

一輪の花 ゆっくり
蕾を開く 







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