空中ブランコ/銀猫
 
処かに切れ目の出来かけた空と
浮き足立った人間たちの
歩み寄りの手段として
空中ブランコは
発生したのかも知れない
そこで
ふーり ふーり
足を前後に揺さぶって
あした地球が救われないかなんて考えてみる
科学者たちも正義の味方も
このブランコは漕がなかった
ふーり ふーり
ふーれ ふーれ
ブランコ揺れて
そらいろ揺れる
風が吹いたらしがみつき
豆の木の葉が届くまで
ここで続ける、
ふーり ふーり
ここより高くに行きたいか
それとも地上に降り立つか
ゆーり ゆーり
ゆーれ ゆーれ
決めかねている
のさ




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