羽根/とっこ
見上げて 見つけた分だけ星が
あたしの胸に 落ちてくる
ゆっくりと 胸から背中へ抜けてく
その度に あたしの体温は減ってくようで
意識はあるのか ないのか
このしびれは気持ちいいのか 痛いのか
そんなものわからなくなるような
それを幾度とくりかえし
やがて背中に 金色の透明な羽根ができ
あたしはそのあたたかい羽根で
あの人が見上げる空へ 飛ぶ
あの人があたしを見つめて
微笑むたびにこの羽根が
あの人の胸に そっと落ちればいい
ゆっくりでも 何枚も 何枚も
落ちていけばいい
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