煙突掃除の少年 /服部 剛
 
輪郭のゆがんだ 
朧(おぼろ)月の見守る 
灰色の夜の家々 

屋根に置かれた 
梯子(はしご)の頂に危うく腰かけ 
襤褸(ぼろ)着を纏う煙突掃除の少年 

ほっぺたを黒く汚したまま 
月夜のひかりを浴びている 

今にも溢れそうな憤りを 
静かに閉じた唇に塞いで 
独りの影を落とす 

届くことない星空に 
目一杯 
幻の両腕をのばして 







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