精霊たちが棲む夜には/りゅうのあくび
 
みたいにして
向かいあう身体は
返しては揺れながら
その刹那となって
一瞬は絶えまなく巡る


まなざしの奥と
恋する人の細い指先とは
ひとつながりになっていて
それぞれの裸はすみずみまで
確かめられ
夜の精霊の
黒くかたい羽根は
永遠のあいだに
真夜中の色をして
にぎりしめられる
手のひら
すらりとした
恋の翼をひろげて
どこまでも
はばたきをしている




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