感動について/パンの愛人
 
有害であることは言うまでもない。安易な分析は、われわれの感動を形式的で図式的な説明におしこめてしまうことで、とうの感動を歪曲してしまいかねないのである。こういった危険性を留意しておくのは大切である。どのように反省してみたところで、われわれは自分の経験を完全に理解することは不可能であるかもしれない。なぜなら、われわれの経験はかならずしも論理的なものだとはかぎらないからである。

 きみはきみの限界を超え出ることも、その向こう側を覗き見ることも許されてはいないのだ。きみはこの世界のOriginであり、きみとはすなわち、きみを取り囲む全世界の法則そのものである。
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