六月十六日の唄/りゅうのあくび
 
想えば
魂の定義とは
その情熱のありかを
しめすことであり
ちょうど母の
六月の誕生日の朝に
配達される
新聞は
白い煙が
たれこめる
雲よりも天高く
心の空へと
立ち昇る
燃料でしかなくて

昔風に云って
それは戦いのための
狼煙であって
真剣なまなざしが
中空を斬るような
居合いのようにあって
此の世に
生まれてきて
愛すべき人を
助けなければ
生きては逝けぬ
正義なるものがあり

その名を残すため
天から授かった命の
心逝くすべとして
その詩を紡ぎ
愛すべき人
のための詩を
日々の戦場を駆けるように
流れ尽くさんとする

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