洗われる街のほとりで/
まつお
赤茶けた街のほとりに
くぐもった電飾が舞い
砂めいた波の間(ま)の音(ね)に
荒れた手の女が遊ぶ
草臥れた解体現場
風の吹く
干物の匂い
上り行く老若の唄に
焼き魚の煙は滲み
丸い目の白い羽毛が
淡々と風間を歩く
錆付いた小船の隣
子供らは賑やかに跳ね
張り付いた富士壺が
唯々
潮に洗われている
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