『スキンレス』/山内緋呂子
川を見ると飛び込みたい私は終わり、ただそのゆらぎに見習いたい。
褒められて伸びる私は卒業し、缶コーヒーの絵柄が渚カヲルであることに笑う。
着物を着ている今の私では簡単にトイレに行ける筈もなく、行きたくなるのは車内だと解る
駅の公衆など和式に決まっていて
ここは東京都で2007年で
私はツイているラッキーにも洋式が一つだけ空き
いつからだろう
公衆トイレの壁の色を欲する
ここは、淡い黄色
彼と会ったあのトイレは、濃いピンク
私はいつでも写真に撮る
写真に撮る
あの時計を返品したい
返品の為のレシートを探
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