朝のピアニッシモ/りゅうのあくび
 
まだ夢のなかで
ココナッツ畑の
果実を収穫するときみたいに
静かなバスルームで
のどかな夜明けは
すでに始まって
まどろみは甘くかおり
水滴となり流れ出す

  ∽

たっぷりとコップに
ついで飲み込んだ
朝食のミルクには
地上に降りそそぐ
星の細かい欠片が溶けていて
だから朝採れたばかり
新鮮なミルクの味には
流れ星が駆けめぐった頃の
夜空の匂いがふわりとして

  ∽

ふとそとで誰かが
扉をノックして
音を立てている気がして
おだやかな
純白の太陽から陽射しが
そっと扉のふちで
こんこんと照り返していて
扉を開けて鍵をして
出かけ
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