軽薄プラネタリウム/
梨玖
洗いざらしのような 空気が 夜を運ぶ
淡い 淡い 夢を見ながら 眠る君の
呼吸の音がしない部屋を 星が染めていく
いくら片目から涙が零れていても
君は笑ってくれない と 知っているから
もうすぐ きっと
きみの世界は 音を立てて 壊れて い く
「もう 一度だけ 僕の傍で 笑ってください」
別れの言葉だけは 眠る前に言いたかったのに
ぱさり と音を立てて 夢を抱いた君の腕が 落ちる時
白い部屋の中 只光る 軽薄 プラネタリウム
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