こいびと/縞田みやぎ
ルク と紅茶
染みか
次に生まれるときには
襟口にずうっとレースをつけたいわ
レモンの匂いのするきれいな女の人になって
水のある風景を見て過ごすのよ
手首を通って 乳色が広がっていく
それは春だったかい
それは晴れた日だったかい と聞くと
君はちょっとぽつんとして
くもりだったわ
くもりだったわ
象のおなかが いいい とふるえて
雲の底をなぜて ながれていったわ
あたし晴れていたらよかった
あたし晴れていたらよかった
カップの縁を黄色くなぞって
君の室内が暮れていく
カーテンを床まで垂らしておきたいと
手のひらで口を覆う
遠くへは
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