生to死/AKiHiCo
 
生きるという事は死を目指すという事
生きているから死ねる

死は僕たちに何を齎すのだろうか
朽ちてゆく内側、精神は侵蝕されて
過去の出来事に微笑み
懐かしい声に腕を伸ばす

気付かされるのだろう
薄れてゆく意識の糸は間もなく
切れてしまうという事を
腕は蒼穹を目指したまま硬直
してゆく

そこに何を掴めた、

死こそ至高の安らぎだろう
生で得た栄光はもう背負わなくていい

生きているから死ねる
僕たちは本来の姿で風に舞う
ただそれだけなのだ



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