「問題文」/菊尾
 

それはごく当たり前のことのようになんの疑問も抱かないで。
解答用紙にはただ一つだけ問いが書かれている。
「気が触れたのは、どなたですか?」
僕は鉛筆を取り出して答え始める。
担任教師が窓辺に立って計測を開始した。




私の意識もあと僅かなのかもしれない。
午前中から降り始めた雪はかなり積もっている。
カチカチカチカチ。あ、あの人もか。車を何度も木にぶつけながら笑っている。あちらこちらで事件や事故が起きているはずだ。
この伝染病は何が原因なのか他国からによるものなのかもしれないな。
圧倒的感染速度で東京は壊滅的状況だ。さしずめ名前をつけるとしたら狂
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