空。/月夜乃詩音
仄暗い空を眺めながら焼酎を一口
煙草の紫煙が空を流れていく
鳥の囀る唄が聞こえ もう朝になるのかと
恐る恐る朝陽が空の色を変えて
変わらないものなんてないのだろうかと
独りもの思いに耽りながら焼酎を一口
煙草の紫煙が空へと旅に出る
こんな何気ない朝でも昨日とは違うと
細微な変化に戸惑いつつも
やはり昨日とは変わらない今日が始まるのかと
変わらないモノと変わっていくモノに
少しの嬉しさと少しの悲しさが込み上げてきて
焼酎をぐいっと一口
名残惜しそうに空を見つめても焼酎は戻らない
恐る恐る変わる空に景色、時の流れ
煙草の亡骸から紫煙が朝焼け空へと消えて往く
名残惜しそうに、空を見つめても…
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