望郷 / うねる想い/beebee
 
くい
川下へ持ち帰ろうとする

数時間が過ぎ
波静かに閉じる想いは
夕日をせせらぎに映す

川面を遙かに見晴るかし
望む海へと遊ぶ心と共に
西日の内を漕ぎ渡る

手離す気泡は
波に揉まれて消えて行った
深く暗く蒼い水の内へ
静かに帰って行った

下流に拡がる石油コンビナートは
ダリア色の想いに染まり
金色に紅く広がり
碧く冷たい空気に浸食されている

静かな故郷への思いは
波の下へ下へ拡がる
気泡の夢




『硝子の欠片』…同じ系統の作品です。読んでみてください。
http://po-m.com/forum/i_doc.php?did=157760
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