「彼女は無糖派」/菊尾
 
ぬかるんだ道をそっと渡る。滑ると笑えないからって言いながら。
地面に靴の跡がつく。「この近くで事件があったら疑われるかもね。」
「ほら、また嫌な事言う君だよ。可愛らしいのをリクエストしてもいいですか?」
「・・・わっ!見て見て!なんだか地面がチョコレートみたいだよ!」
「よし。型に流し込もう。」
「靴の裏側の形をした型に。」
「それを警察に提出するよ。」
「なんであたしを捕まえようとするの。」
地面を見ていた彼女が真顔でこちらへ向いた。
「つ、罪深いから?」
「何罪で。」
「・・・よし。歩こう。」コンクリートの道に入る。
「ねぇ。何罪で。ねぇ何罪で。
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