BRIDGE/1486 106
 
M* ***P”
中には気付いていた人もいた
だけど誰も耳を傾けようとはしなかった
“**LP M*”
“H*LP…”
日増しに彼女の言葉は短く
声は小さくなっていった
それでも通行人は何もしなかった
忙しさに周りが見えなくなっていた
痺れを切らしたのか髭面の男が
パンの耳を乱暴に投げ入れた
乾いた音が穴の中に響いた
それ以来声は聞こえなくなった
穴の中にいた彼女の行方を
知ろうとする人は誰一人いなかった
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