進化論/vallette
僕の心は遠くまで行ってしまって
誰かの呼ぶ声も聞こえなくなってしまった
ベッドに括り付けられた
僕と僕の意味を連ねたもの
誰の残酷か、優しさか、
僕の目はよく見えた
零れることなく悲劇が僕の中に溢れていた
翼がないのなら飛ばなければよかった
人は進化の過程で戻る方法をなくしてしまった
時間が空回りする瞬間を
僕はベッドの上で越した
僕はかつて“翼”だったもの
たくさんの人を乗せ、落ち、壊れ
たくさんとともに僕はベッドに縛り付けられている
不思議と地面が心地よかったのを僕は覚えていた
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