石の穴 /服部 剛
 
自分の穴を 
誰かにつつかれると 
前は眉間に皺を 
寄せたりしたが 
今はもうどうでもいいのだ 

面白がる人は 
面白がるにすぎず 
わたしの隠し持つ 
孤独など 
知りはしないだろう 

わたしは 
真中に穴のあいた石となり 
もう何も語るまい 

人それぞれの
孤独についても 

わたし自身の 
それについても 




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