巻頭 十二月/縞田みやぎ
って
12/22
弟の首にしっぽをまきつけて
猫の子と 猫の子たちは
ああわたしの名前だけ残してください
約束のように呼ぶよりも
12/23
「やりよう」という言葉を辞書で。
12/24
わたし うたう
いっしょけんめ うたう
しんでいったこどもと うまれたこども
しんでいったこどもと うまれるこども
うたうよ
うたうよ
いもうとに「なんでこんな風な詩を書くの」と訊かれました。「一個や二個の単語で書けなかったから」と答えました。「日本語を上手にうんと的確に使えたらわたしは口などきかなくてもいいのかもしれない」
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