「オマエヲコロス」/本城希望
 
「オマエヲコロス」
僕の中のもうひとりの僕が
僕を脅してきた
その言葉はある種耳鳴りのように
僕を遠くから攻め
精神的ダメージを与えた
その晩から僕は眠れずに
途切れることなく耳に響く
「オマエヲコロス オマエヲコロス」
「オマエヲコロス ・・・・・・・・・・・」
この言葉に悩まされ続けた
僕はだんだんと痩せこけて
本当に殺されそうになってきた
死んだ方が楽になれるかもしれない
そう思うようになってきた
その晩僕は自らで自らの命を絶った
否、僕は僕に殺されたのだ
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