空の絹糸 /服部 剛
 
川崎LAZONA5階 
木のベンチに腰を下ろした僕は 
各階に店の並ぶ円形広場を眺める 

小さく見える人々の
行き交う傍らで 
ステージに立つ 
君の唄声を聴いていた 

君の息子の「ヘンリー王子」に捧ぐ 
「060131」という
誕生日の唄 


 このよにひそむ 
 カナシミ痛み 
 手ですくって 
 明日の空にかかげる人に 
 なってゆくんだ 


ステージの上で唄う君を 
人垣の間から 
携帯のカメラを構える 
「ヘンリー王子」が 
シャッターを押した 

夏風は5階に吹き渡り 
思わず僕は 
円形の空を仰いだ 

君の唄声が
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